仮想通貨(暗号資産)リブラ(Libra)レクチャーイベント参加レポート(19/7/16)

レポートは、イベントが開催された2019年6月24日時点における解説者の見解であり、時間の経過により現在の見解とは一致しなくなる場合もあります。

仮想通貨(暗号資産)リブラ(Libra)レクチャーイベント参加レポート(19/7/16)

フェイスブック仮想通貨Libraレクチャーイベント

主催:一般社団法人 日本ブロックチェーン協会 -JBA: Japan Blockchain Association-
開催日:2019年6月24日
解説者:福島良典氏 LayerX lnc. CEO / Gunosy Inc.Founder, ex-CEO / Angelinvesto

Libraホワイトペーパーの解説 登壇資料

【注意】当レポートは、イベントが開催された2019年6月24日時点における解説者の見解であり、時間の経過により現在の見解とは一致しなくなる場合もあります。

Ⅰ.サマリー

1.Libraは、金融サービスを受けることができない人に対して安価で手軽な金融サービスを受けられることを目指している、「金融ソフトウェアのプラットフォーム」

2.ブロックチェーン設計はビットコインやイーサリアムと大きく異なり、バスケット通貨にペッグ:pegしている『Libra通貨』を中心としている

3.『Libra通貨』は、金融取引としてプログラマブルに取り扱うために、『Move』と呼ばれるプログラミング言語にてスマートコントラクトの実装が可能

4.「資産管理・保全」に対する信頼性を高めるためにブロックチェーン技術を活用

5.スタート時はコンソーシアム・メンバーしか『Libra』のバリデータ(検証/承認者)になれないため「パブリック」ではないが、将来的には『パブリック』への移行を検討
※ビットコインやイーサリアムは、誰でもバリデータになれるという意味で『パブリック』

6.「Libraトークンの持ち分によって…」と記載があるため、PoS: Proof of Stake、ステーキング的なことを考えている

7.技術選定は、基本的には極めてオーソドックスであり、かなりレギュレーターを意識した設計になっている

8.現実的な社会適用を目指すために、条件を満たしている豪華メンバーを巻き込んだのがポイント

9.開発コミュニティもFacebookのエンジニアをコミットさせているようで、かなり強い

10.Facebookが1年前に買収したChainspace社のチームが『Libra』を設計しているのではないか

11.今後課題となるスケーラビリティの言及がかなりあり、コンプライアンス・レイヤーはかなり柔軟に実装できるように準備され、主眼を置いている

12.「通貨設計」や「インセンティブ設計」は、ここ1~2年で出できたベストプラクティス的・社会実装的な議論の集大成であり、レベルが高い

Ⅱ.Libraのビジョン

・『unbanked(銀行口座を持たない/持てない人)』や、新興国で金融サービスをあまり受けられない人向けに、金融サービスが手軽に受けられる仕組みを作りたい。

Ⅲ.Libraについて:概要

1.「安全」で「スケーラブル※」で「信連性の高い」、ブロックチェーンを基盤とする

※スケーラブル:scalable=利用者・取引量の増加に適応できる拡張/対応可能性

・現在、バリデータ※はLibra協会のメンバーに限られているが、将来はバリデータもオープンにする方針
※バリデータ:validator=正当性の確認/承認を行う者/機器 ≒ マイニングする人 ≒ ブロックを承認する人

2.「実態価値」を付与するための『資産のリザーブ(Libraリザーブ:準備資産)』を裏付けとする。

(この点がビットコイン/イーサリアムと一番違う)
・通貨の単位は『Libra』
・『Libra』を発行するための仕組みは、ユーザーが「お金を預ける」というトリガーでしか行われない
※ビットコイン/イーサリアムの場合=ブロックを承認した報酬として当該コインがもらえる。
(承認にコストがかかることが裏付け)
・『Libra』は、『Libra通貨』を動かし易くするためのチェーンとして、ビットコイン等と比較して、より金融的な色合いが強い

3.エコシステムの発展を目指す、独立した『Libra協会』がLibraを運営する

・『Libra協会』は、スイスにある非営利組織として運営
・「Facebookコイン」のように呼ばれることがあるが、下記の理由によりLibraはFacebookの持ち物ではないことを強調
(1)実際にはFacebookも創設メンバーの1社に過ぎない
(2)最終的には100社以上、Facebookのシェアを1%以下にしたい

Ⅳ.コンソーシアム・メンバー

参照:創立者になる方法 P3【メンバー評価基準】
1.メンバー 左図参照 Uber, Coinbase, PayPal…などがメンバー

Ⅳ.コンソーシアム・メンバー

2.コンソーシアム(Libra協会)メンバーになる評価基準/条件(Evaluation Criteria)
参照:設立メンバーになる方法【企業の評価基準】

(1) 企業評価額/市場価値:10億USD(約1,000億円)以上
(2) 顧客資産/残高:5億USD(約500億円)以上
(3) 年間2,000万人以上のグローバルユーザーにリーチ(≒ユニークユーザー数)できるプロダクトを保有
(4) S&P Global 1200やFortune500などで評価されている
(5) バリデータになるには最低でも1,000万USD(約10億円)以上の投資
[例外]影響力が強いNGOやNPOは投資なしでメンバーになれる (NGOを作って参加するのはありかも?)

Ⅴ.Libraブロックチェーン 

1.Libraの3つの要件

※Technical Paper:技術書【The Libra Blockchain】より
※「これらを大事に設計しました」という印象

(1)スケーラビリティ:数十億アカウント分の処理ができるようにする(現在は、1,000トランザクション(取引処理数)/秒しか処理できない)
※スケーラビリティ=利用者・取引量の増加に適応できる拡張/対応可能性

(2-1)セキュリティ(資金や財務情報の安全を確保):ブロックチェーンが達成してきた「非改ざん性」「二重払い」に従う

(2-2)スマートコントラクト(①~④)の脆弱性対策:プログラムのバグを突かれて資産が盗まれることがないように、プログラマーが書きやすいオリジナルのプログラム言語を開発して使用
スマートコントラクト上で色々なアセットを扱う①アプリケーション ②ICO ③DEX:Decentralized Exchange (非中央集権/分散型取引所)④Compound(分散型レンディング・プラットフォーム)…など

(3)柔軟性:「エコシステムのガバナンス」と「金融サービスのイノベーション」を可能にする

2.技術的特徴

(1)プログラミング言語:オリジナルの仮想マシン(virtual machine)を作り、オリジナルのプログラミング言語『Move(※)』にて、スマートコントラクトが実装可能。
※イーサリアムで言う「セレニティ:Serenity(最終アップデート版の名称)」に該当


(2)Ethrerumとの違い:Libraの方が金融に特化したブロックチェーンとなっている。
・Ethrerum=汎用的(ワールドコンピュータ的・クラウドコンピューティングの置き換え的)に色々なアプリケーションに対応することを目指している。
・Libra=実装自体に制限を加えて、あくまでもLibra通貨を動かし易くするためにスマートコントラクトがあるイメージで、より金融に特化している


(3)コンセンサスアルゴリズム:新しいもの使っているが、シンプルなBFT: Byzantine Fault Tolerance(※)を利用。
※P2Pにおいて「ビザンチン将軍問題」が発生してもて正常に稼働する防御性を持つ

(4)データ構造:『アカウントモデル』で、イーサリアムに導入されている「not UTXO(※)」モデルを採用
※not UTXO:アカウントの残高データを記録・管理する方式=イーサリアム採用
UTXO: Unspent Transaction Outputとは:取引データのみを記録・管理し、残高は取引データから算出する方式=ビットコイン採用
【参考】【ビットコイン原論文33】9.価値の結合と分割


(5)匿名性:Libra(ブロックチェーン)上ではwalletのアドレスと、実世界の人間(個人情報)とはリンクされない。
ただし、Libra通貨の販売には『認定再販業者(authorized resellers)』と呼ばれている取引所/交換所などを利用しなければならず、その『認定再販業者』によりユーザーのKYCが行われる。

Ⅵ.Libra通貨の仕組み:通貨バスケットとpeg

1.IOU型:ステーブルコインに近い
(1)IOU:I Owe You(借用証書)型=自分の資産(法定通貨/フィアット、USDなど)を預け入れ、それがほぼ1対1の比率で保持される。
・TrustToken[TrueUSD](IOU型)の場合:USDを預けたらTrustToken[TrueUSD]が1対1で返ってくる。
・Libraの場合:(1)払い込んだ金額を裏側で「通貨バスケット」としてLibra協会が運用+(2)通貨バスケットpeg(連動)
①ユーザーは法定通貨/フィアットで認定再販業者(取引所/交換所等)に払い込む。
     ↓
➁払い込まれた法定通貨/フィアットは、認定再販業者を介してLibra協会で保全される。
     ↓
③『Libraリザーブ』は「通貨バスケット」として運用される。
     ↓
④1Libraは基本的にこの通貨バスケットと連動(peg)する。

2.通貨バスケット:Libra協会の運用ポリシーにより、安定性の高い資産※に分散投資
※中央銀行が発行する①通貨[USD,EUR,GBP,JPY]での銀行預金か、➁短期国債など

3.運用ポリシー:Libra協会が一定のプロセスを踏むことで変更可能
※詳細はこれから決めていく

Ⅶ-1.Libra通貨の仕組み:ユーザー視点①mintの場合

Libra通貨の発行:ユーザー視点で見ると「お金を払うとLibra通貨がもらえる」

ユーザーがLibra通貨を欲しい場合:販売している認定再販業者(例:仮想通貨取引所)で購入
 ・Libra上ではwalletのアドレスと、実世界の人間(個人情報)とはリンクされ(紐づい)ていない
 ・ビットコイン等と同じで「仮想通貨取引所の口座:アカウントでKYCをしなさい」という仕組み
  ↓
KYC済みのユーザーが認定再販業者に法定通貨を払い込む
  ↓
認定再販業者はLibra協会に対して「リザーブ(準備資産)」を払い込む
  ↓
払い込まれた「リザーブ」は『Libraリザーブ』と呼ばれ、カストディ(信託)に託されて運用される
  ↓
カストディにて運用されて発生した「利子」は投資家に配当される
  ↓
「リザーブ」がカストディに払い込まれると、Libra協会自体がLibra通貨をmint(鋳造/造幣)する
 ※Libra通貨を発行(mint)できる権限を持っているのはLibra協会だけ
  ↓
Libra協会によってMintされたLibra通貨をユーザーが受け取る
  ↓
ユーザーはLibra通貨を利用できる
  ↓
ユーザー同士のP2P送金はKYCなしでもできる
・最後にBurn(払い戻し)したいときに、ユーザーは認定再販業者にてKYCが必用
・「入口と出口とでKYCすればいい」という思想で作られている

Ⅵ.Libra通貨の仕組み:通貨バスケットとpeg

Ⅶ-2.Libra通貨の仕組み:ユーザー視点➁Burnの場合

自分が持っているLibra通貨を法定通貨/フィアットに交換/両替する場合

KYC済みのユーザーが認定再販業者(例:仮想通貨取引所)にLibra通貨を返却
  ↓
認定再販業者がLibra協会にLibra通貨を返却
  ↓
「Libra通貨が返却された」というトリガーにて、カストディ(信託)からLibra協会に『リザーブ』を返却
  ↓
Libra協会から認定再販業者に『リザーブ』を返却
  ↓
上記と同時にLibra協会はLibra通貨をBurn(焼却/使用不可)する
・これにより『Libraリザーブ』と『Libra通貨』とが正しく連動される仕組みになっている
  ↓
認定再販業者からユーザーに法定通貨/フィアットを払い戻す

Ⅵ.Libra通貨の仕組み:通貨バスケットとpeg 2枚目の画像

Ⅶ-3.Libra通貨の仕組み:投資家視点

1.投資家とエコシステム
 ・「通貨を発行してエコシステムを作る」際には、誰かがお金を託してエコシステムを発展させなければならない
 ・『投資家』は、エコシステムのために資金を提供
 ・『投資家』へは別のインセンティブが与えられる

2.Libraの場合
 ・Andreessen Horowitz社やUnion Square Ventures社などが投資家として参加
 ・投資家がLibra協会に一定金額を投資し、その割合に応じて投資家にエクイティのシェアが与えられる
 ・投資家トリガーでもLibra通貨を発行できる。
 ・投資家が投資する理由:『Libraリザーブ』に預けられている法定通貨等を「通貨バスケット」として運用する利子が投資家に入ってくる

3.Libra通貨のmint
Libra協会は投資家から受けた投資資金を、『Libraリザーブ』に入れカストディ(信託)を受ける
  ↓
『Libraリザーブ』からLibra通貨をmintするが、投資家へは戻さない
  ↓
mintされたLibra通貨は、Libraエコシステムを盛り上げて発展させる「ユーザー」「販売者」「開発者」に対するインセンティブとして使用

Ⅵ.Libra通貨の仕組み:通貨バスケットとpeg 3枚目の画像

Ⅷ.Libra通貨の仕組み:(Twitterなどでよくある)FAQ

Q1:Libraはどうゆう思想で設計されたのか?(開発者:Developer用ホワイトペーパーより)

A1:レギュレーターを意識して設計し、そのうえで過去のベストプラクティスを参考にしている。

Q2:通貨設計のベース(ベストプラクティス)は何を参考にしている?

A2:lOU型ステーブルコイン:Stablecoinが米国ではベストプラクティスであるため、下記コイン(1)~(3)の影響を受けている
(1)TrustToken[TrueUSD]:下記を最初に導入し、Libraの投資家でもあるAndreessen Horowitzが投資している
・認定再販業者がKYCを行えばいい
・信託を使ってリザーブが本当に保全されているか、ガバナンスを利かせて外に見せることができる
※Tether[USDT]は自分たちで勝手に「俺たちは持っているぜ!」と言っている
(2)Gemini dollar[GUSD]:ウォンクルボス兄弟が運営((1)とほぼ同じ)
(3)Wrapped Token[Wrapped Bitcoin=WBTC]

Q3:Libra協会が勝手にLibra通貨を発行したり、暴走したりしないか?

A3:基本的には、認定再販業者からのトリガーをフックにするしか協会はmint/burnできない

Q4:それはどうやっているか?

A4:実装はまだなのでわからないが、TrustToken[TrueUSD]の実装から推測すると、おそらく(人間的な監視には頼るが)下記により暴走を防ぐ仕組みとなっている。
・mint/burnするときに、①認定再販業者と➁Libra協会と➂カストディ(信託)、それぞれが署名しないと発行できないスキーム
・協会自体はリザーブを持たない
・リザーブはカストディ(信託)で保全される
・カストディ(信託)はリザーブを受け取ったことをフックに、自分たちで署名する
・④リザーブの量はカストディ(信託)の定期監査※で確認、⑤Libra通貨の発行量はLibraのブロックチェーンで確認できる
※定期監査:TrustToken[TrueUSD]の場合は月に1回、Gemini dollar(GUSD)の場合は四半期に1回
・上記④と⑤の量に矛盾があると、すぐ露呈する仕組み
・Tether(USDT)のような問題※が起こらないように、Libraは人間的なガバナンスで防いでいる
※Tether(USDT)問題:準備金/裏付け資産であるUSDの一部を、ビットコイン購入などで不正利用の疑い

Q5:KYC/AMLを「しない」と書いてあるが、どうするのか?

A5:これはビットコインと同じでブロックチェーン上では「しない」という意味
 ・ユーザーのKYCは認定再販業者(仮想通貨取引所など)が行う
 ・ユーザーがLibra通貨を法定通貨に変える(払戻)には、認定再販業者を通じて交換しなければならない
 ・認定再販業者がユーザーをKYCすることで、KYC済みのユーザーしかLibra通貨を法定通貨に交換できない
 ・上記により、Libra通貨を持っているだけでは価値を持たない
 ・Libra通貨に価値を持たせないことにより、(匿名性の高い取引を)抑制している

Q6:投資トークンは証券ではないか?

A6:証券である。
 ・ホワイトペーパーに「機関投資家に私募で販売している」と記載
 ・レギュレーションに準拠した、STO(Security Token Offering)に近いスキーム

Q7①:銀行に預ければ利子としてユーザーにお金が入るのに、なぜLibraは利子がユーザーに付かないのか?
Q7➁:LibraはMMF(Money Management Fund)ではないか?

A7:意見が分かれているが「Libra通貨自体の証券性該当を回避するため」が有力な意見
・「TrustToken[TrueUSD]やGemini dollar[GUSD]が証券に該当するか?」と問われると、これらはユーザーに利子は付かず、ドル引換券のようになっているため、「証券に該当しない」と言われている
・Libraも利子がユーザーには付かないため、単に「通貨バスケットの現物を持っているだけ」とも言える(従ってMMFにも該当しない)
・利子を「投資家のインセンティブ」とすることができる

Ⅸ.Libra協会のガバナンスについて

1.FacebookがLibraをコントロールするわけではない
2.BFTアルゴリズム的な3分の2以上の合意でポリシーの変更ができる
3.Libraをmint/burnできる権利は、基本的にはLibra協会にある

Ⅹ.Libraの今後(ロードマップ)

※ロードマップなので夢を語っている感はある

1.Libraブロックチェーン
・2020年前半にメインネットをローンチ
・ドキュメント・APl・ライブラリを開発

2.リザーブ
・リザーブはカストディに預ける
・カストディを分散させる

3.Libra協会
・Libra協会を地理的に分散させる

Ⅺ.Libraの雑感

1.ビジョン:ビットコイン/BTCやイーサリアム/ETHと何が違うのか?
・ビットコイン/BTCはSoV(Store of Value:価値の保存/保管)的な価値を目指す(と認識されている)。
・イーサリアム/ETHはクラウドコンピューティング的なワールドコンピュータを目指す(と認識されている)。
・Libraは金融をプログラマブル:programmable※に扱えることを主眼に置いている
※プログラムによって、システムなどの動作を固定的なロジックではなく、必要に応じて変更・自動化ができる
・「パブリックでオープンにやろう!」というよりも、Libraはより現実的に、複数の信頼できる機関が牽制しつつ運用される金融ソフトウェア・プラットフォームを目指している
・コンソーシアムメンバーを見てわかる通り、かなり本気度の高いプロジェクト

2.技術面
・下記のような工夫はあるが、基本的にはオーソドックスな選定
①新しいBFTアルゴリズム
➁EOS※のような「ブロック構造」にせず、バリデータの負担を下げる
※Block.one社が開発したイーサリアムなどと同系(競合)の「分散型アプリケーション・プラットフォーム(トークン)」
・Facebookはブロックチェーン参入に先立ち、Chainspace社※を買収して作り込んでいる。
※Chainspace社:英国・ロンドン大学の研究者らによって設立されたブロックチェーン・スタートアップ。ブロックチェーン技術を用いたシステム開発を行っている
・今後、ブロックチェーンの『根本的な設計』というよりも、『レギュレーション』『プライバシー対策』『スケーリング』に力を入れる

3.通貨設計
・金融業界の人がどう見たかはわからないが、賛否がある設計ではある
・全てのポイントにおいて、かなり「レギュレーション」を調べ、「信頼性」を重視している
・ここ1~2年において、ブロックチェーン上での『通貨』『レギュレーション』『プログラマブル』の全てをどう成り立たせるかという点で、しっかりと調査して全体のバランスが考えられておりレベルが高い。
・下記①に➁を加えた通貨設計で、流行り・最先端のモデルを取り入れている。
①「TrustToken[TrueUSD]」「Gemini dollar[GUSD]」「Wrapped Token[Wrapped Bitcoin=WBTC]」とほぼ同じ通貨設計
➁デュアルトークン[Dual Token]モデル的に「投資トークン」と「通貨トークン」とを分けて、投資家にもインセンティブを与える

・『TrustToken[TrueUSD]的モデル』を取り入れたのは、(問題が疑われている)Tether[USDT]に対するアンチテーゼ
・『デュアルトークン・モデル』を取り入れたのは、ICOの失敗から考えてSTO的設計にしている
・お金の集め方もレギュレーションに準拠している。
・「Libra通貨自体に利子を付けない」等、テクニカルに証券性を回避している
・Facebookは「ロビイング/根回ししていない」と言っているが、かなり根回ししていると思われる

Editor感想

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Libraは、仮想通貨(暗号資産)・金融業界だけでなく、世間一般でも大きな話題となっています。
福島氏の解説に何度も出てきたように、Libraは「金融レギュレーション」に準ずる設計に仕上がっています。それにより、仮想通貨(暗号資産)と法定通貨の間を取るようになったため、Libraの評価は肯定派と否定派とに二分されて論争が続いています。

ビットコインの魅力に魅せられた古参の人たちにとっての『長所』は、特に金融業界にとっては『短所』という裏返しでした。
従ってLibraは、この『長所』を抜き取ったことにより金融業界からは一定の評価は受けるも、本来であれば肯定派のはずの仮想通貨(暗号資産)業界からは否定的な意見も多く見受けられます。

しかし、仮想通貨(暗号資産)・完全否定派の人たちが一歩歩み寄ってきて、ビットコインのブロックチェーンの魅力もさらに強まった感もあることから、このLibraの登場は今後さらに多くの人たちを巻き込んで世の中を大きく変えていく可能性を秘めていることは間違いないでしょう。

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