ビットコインの価格分析 『俄かロングは概ね一掃。底入れ→底打ちに期待』(7月4週目)

コインチェック不正流出事件に端を発した長期下落トレンドの終焉(全値戻し)に期待が集まりました。

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ビットコインの価格分析 『俄かロングは概ね一掃。底入れ→底打ちに期待』(7月4週目)

1.概況

ビットコインの対円相場は、昨年12月に付けた安値35.4万円をボトムに切り返すと、その後の2度に亘る三角持ち合いからの上放れを経て、心理的節目100万円の突破に成功しました。6/26には、昨年1月以来、約1年5ヵ月ぶり高値となる149.5万円まで急伸するなど、コインチェック不正流出事件に端を発した長期下落トレンドの終焉(全値戻し)に期待が集まりました。

1.概況

こうした動きの背景には、①世界的な金融緩和期待を背景としたリスクアセットとしてのビットコイン需要の高まりや、②改正資金決済法及び改正金商法の可決・成立、FATF(金融活動作業部会)による規制強化の明確化を通じて仮想通貨(暗号資産)市場に健全化ムードが広がりつつあること、③ビットコインETFやBakkt、ErisXやLedgerXなど機関投資家参入を想起させ得る潜在的な好材料が増えつつあることに加えて、④米中貿易摩擦の激化やグローバルに広がる地政学的リスクを背景にリスク逃避資産としてのビットコイン需要が高まっていること等が挙げられます。

もっとも、心理的節目150万円トライに失敗すると、7月以降は一転反落。短期間で上げ過ぎた反動から「俄かロングポジション」のロスカットが誘発された他、Facebook社による仮想通貨(暗号資産)リブラを巡る大騒動、ビットポイントジャパン社による総額30億円規模のハッキング事件なども重なり、7/17には、一時98.1万円までクラッシュする一幕も見られました。しかし、100万円割れでは押し目買い意欲も根強く、すぐに100万円台を回復するなど、下値の堅さも確認される結果となっております。
本稿では、ビットコイン・円相場の先行きについて、テクニカル分析の観点で考察いたします。

2.移動平均線

2.移動平均線

2月下旬に達成した、21日移動平均線(青)と90日移動平均線(緑)のゴールデンクロスを皮切りに、ビットコイン・円相場はその後上昇トレンドに突入しました。4月上旬には、約1年ぶりに200日移動平均線(赤)を上抜けした他、4月中旬には、21日移動平均線(青)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも実現。5月2週目には、ついに90日移動平均線(緑)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも達成するなど、短・中・長期全てにおいて上昇モメンタムの強さが確認されます。今般の急落時においても90日移動平均線にサポートされる形で反発に転じるなど、ビットコイン・円相場の上昇トレンドは継続中と判断できます。

3.ボリンジャーバンド

3.ボリンジャーバンド

トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドは、「右肩下がり」の形状にシフトしました。%bも0.0から0.5付近で推移するなど、地合いの弱さが確認されます。但し、ボリンジャーバンド下限に沿って下落を続けるバンドウォーク(下限)は終焉となりましたので、今後持ち直す可能性は十分あります。実勢相場がボリンジャー・ミッドバンドを上抜けるタイミングで買い圧力が強まると予想されます。

4.一目均衡表

4.一目均衡表

ビットコイン・円相場は、7月半ば以降の急反落を経て、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表・三役好転」が終了しました。足元では、①一目均衡表転換線の基準線下抜け、②遅行線のローソク足下抜けが成立するなど、③ローソク足の雲下限下抜けが揃い次第、三役逆転が実現する状況となっております。もっとも、ビットコイン・円相場は3月上旬以降、一度も雲上限を割り込んでおらず、上記③の成立は容易では無さそうです。余程大きなネガティブ材料が出てこない限り、今後も一目均衡表雲が強力なサポートとして機能し続けると予想されます。

5.RSI

5.RSI

オシレータ系インジケータのRSIは、6月下旬にかけて一時90.0%付近まで急騰しましたが、現在は48.4%近辺まで急低下するなど、過熱感(買われ過ぎ感)は完全に無くなりました。急騰後に深い押し目を作ったことから、証拠金勢による俄かロングポジションは一掃された可能性が高く(ポジションが軽くなった可能性が高く)、7月~8月にかけてはロングポジションの再構築に期待が集まります。

6.まとめ

以上の通り、ビットコイン・円相場は足元急落に転じましたが、①心理的節目100万円を辛うじて死守したこと、②移動平均線におけるゴールデンクロスの継続、③強い下落トレンドを示唆するバンドウォーク(下限)の終焉、④一目均衡表「雲」による強力なサポート、⑤俄かロングポジションの一層(ポジションが軽くなった)などを踏まえると、下値は相応に堅いと考えられます。
100万円割れで長い下髭が作られたことに鑑み、当方では、7月下旬から8月上旬にかけてビットコイン・円相場がもう一段「持ち直す」展開をメインシナリオとして予想いたします。尚、30日間のインプライドボラティリティ(ATMデルタニュートラルストラドル)は足元94%前後で取引されるなど、実際の値幅に換算すると、向こう1週間の予想レンジとして対ドルで9133-11867ドル(1ドル108円で円換算すると98.6万円-128.1万円)が織り込まれている計算となります。
引き続きボラタイルな相場展開が見込まれている点や、ボラティリティが示唆する予想値幅の下限に100万円割れが含まれている点には留意が必要でしょう。

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