【ビットコイン原論文12】Transactions:取引(不可分な一連の処理)1
当(ブロックチェーン/ビットコイン)ホワイト・ペーパーでは、「電子コイン(ビットコイン)」を「デジタル(電子)署名/認証の連鎖(チェーン)」と定義します。
ビットコインの各所有者は、ビットコインを取引先(ビットコイン受取人)へと転送/送金(所有者の変更)する際、前回取引の際に算出されたハッシュ値と、今回取引の受取人の公開鍵(public key)とを合せてデジタル署名/認証し、このデータ/情報を前回のチェーンに繋げることによって、ビットコインを受取人に安全に転送/送金することができます。
ここで言う「公開鍵(public key)」とは、公開鍵暗号方式(Public Key Cryptography)における一対のペアとして生成される暗号鍵のひとつで、もうひとつは「秘密鍵(secret key)」と呼ばれています。
公開鍵暗号方式は1976年に、それまでの共通鍵暗号方式(暗号化と復元に共通の秘密鍵を用いる方式)に代わり、新たに提唱された暗号方式です。
よって、すでに一般に普及しておりブロックチェーン/ビットコインのために新たに開発された暗号技術ではありません。
公開鍵は取引相手に渡したりする一般に公開してもいい鍵で、秘密鍵は所有者が自分で管理して秘匿する鍵です。
秘密鍵で暗号化されたデータは、ペアになっている公開鍵でのみ復元することができます。同様に、公開鍵で暗号化されたデータはペアになっている秘密鍵でのみ復元することができます。
1.AがBにデータ送信する場合
(1)AはAの秘密鍵でデータを暗号化してBに送信
(2)受け取ったBは、Aの公開鍵でデータを復元
(3)復元できなかった場合、データの改ざんが行われたか、Aではない偽物が暗号化したデータであることの証明となる。
2.AがBにデータ送信する場合(別の方法)
(1)AはBの公開鍵でデータを暗号化してBに送信
(2)受け取ったBは、Bの秘密鍵でデータを復元
(3)復元できなかった場合、データの改ざんが行われたか、Aではない偽物が暗号化したデータであることの証明となる。
[ビットコインのホワイトペーパー原文は、bitcoin.org様より転載させていただきました。
Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System]
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