ビットコインの価格分析『世界的な金融緩和期待と米中対立激化を嫌気したリスク回避ムードが相場を下支え』

BTCの対円相場は、昨年12月に付けた安値35.4万円をボトムに切り返すと、その後の2度に亘る三角持ち合いからの上放れを経て、心理的節目100万円の突破に成功。

関連通貨:

ビットコインの価格分析『世界的な金融緩和期待と米中対立激化を嫌気したリスク回避ムードが相場を下支え』

1.概況

ビットコインの対円相場は、昨年12月に付けた安値35.4万円をボトムに切り返すと、その後の2度に亘る三角持ち合いからの上放れを経て、心理的節目100万円の突破に成功しました。6/26には、約1年5ヵ月ぶり高値となる149.5万円まで急伸するなど、コインチェック不正流出事件前の水準を射程圏内に捉えつつあります。7月中旬以降、反落に転じるも100万円割れの水準では下値も堅く、下げ渋ると、8月入り後に再び上昇。本稿執筆時点では、115万円前後での底堅い動きが確認されます。

1.概況

こうした動きの背景には、①欧米先進国をはじめ世界的に広がる金融緩和期待を背景としたリスクアセットとしてのビットコイン需要の高まりや、②改正資金決済法及び改正金商法の可決・成立、FATF(金融活動作業部会)による規制強化の明確化を通じて仮想通貨(暗号資産)市場に健全化ムードが広がりつつあること、③ビットコインETFやBakkt、ErisXやLedgerXなど機関投資家参入を想起させ得る潜在的な好材料が増えつつあること、④米中貿易摩擦の再燃やグローバルに広がる地政学的リスクを背景にリスク逃避資産としてのビットコイン需要が高まっていること等が挙げられます。8月入り後のビットコイン価格の上昇は、上記①と④の影響が大きかったと考えられます。人民元相場が対ドルで心理的節目7.00の攻防を繰り広げる中で、CNY→QC→USDT→BTCの波及経路で、資金流入が続いている可能性も指摘されます。本稿では、ビットコイン・円相場の先行きについて、テクニカル分析の観点で考察いたします。

2.移動平均線

2.移動平均線

2月下旬に達成した、21日移動平均線(青)と90日移動平均線(緑)のゴールデンクロスを皮切りに、ビットコイン・円相場はその後上昇トレンドに突入しました。4月上旬には、約1年ぶりに200日移動平均線(赤)を上抜けした他、4月中旬には、21日移動平均線(青)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも実現。5月2週目には、ついに90日移動平均線(緑)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも達成するなど、短・中・長期全てにおいて上昇モメンタムの強さが確認されます。7月中旬以降の急落時においても、90日移動平均線がサポートとなる形でその後反発に転じました。足元では再び21日移動平均線の突破も実現するなど、ビットコイン・円相場の上昇トレンドは継続中と判断できます。

3.ボリンジャーバンド

3.ボリンジャーバンド

トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドは、「下落」→「横ばい」へと傾きを上方シフトさせました。ローソク足も20日ぶりにボリンジャー・ミッドバンドを上抜けするなど、ビットコイン相場の持ち直しに期待が集まります。バンドワイズチャートがスクィーズゾーンまで低下していることに鑑みれば、「上昇トレンドの再開(=スクィーズからの上放れ)」も意識されます。

4.一目均衡表

4.一目均衡表

ビットコイン・円相場は、7月半ば以降の急落を経て、一時強い売りシグナルを表す「一目均衡表・三役逆転」が出現しておりましたが、8月入り後に持ち直したことでローソク足は再び一目均衡表雲下限を上抜けし、結果として三役逆転の終焉に繋がりました。ビットコイン・円相場がこのまま120万円台を突破できれば、強い買いシグナルを表す三役好転の再出現も期待されます。

5.RSI

5.RSI

オシレータ系インジケータのRSIは、6月下旬にかけて一時90.0%付近まで急騰しておりましたが、現在は54.5%近辺まで急低下するなど、過熱感(買われ過ぎ感)は無くなりました。急騰後に100万円割れの深い押し目を2度作ったことから、証拠金勢によるロングポジションは一掃された公算が大きく、8月はロングポジションの再構築に期待が集まります。

6.まとめ

以上の通り、ビットコイン・円相場は、7月半ば以降急落に転じましたが、2度に亘る100万円付近での攻防の末、8月に入り持ち直しの兆しが見えつつあります。①心理的節目100万円前後で押し目買い意欲が強かったことや、②移動平均線におけるゴールデンクロスの継続、③20日ぶりとなるボリンジャー・ミッドバンドの上抜け、④一目均衡表「雲」下限の上抜けを経て三役逆転が終焉したこと、⑤俄かロングポジションがある程度一掃された可能性が高いことなどを踏まえると、8月はビットコイン・ロングの再構築に期待が集まります。事実、仮想通貨(暗号資産)オプション市場では、ここ数日フロントエンド(行使期日までの期間が短い)のビットコイン・コールに買いが集中するなど、ビットコインの上昇を織り込む動きが広がりを見せつつあります。個人投資家によるビットコイン・コールの買いは、マーケットメイカーによる約定時点でのデルタヘッジ(現物買い)を通じて、直物市場を短期的に押し上げる効果が期待されることから、当方では8月前半にかけてビットコイン価格が120万円を突破する展開をメインシナリオとして予想いたします。

関連記事

ページトップへ戻る