ヤバイ!仮想通貨(暗号資産)11 「仮想通貨(暗号資産)と納税義務」

保有している資産価値が1億円に達した投資家を「億り人」と称していた。今、その億り人はどうなったのか。

関連通貨:

ヤバイ!仮想通貨(暗号資産)11 「仮想通貨(暗号資産)と納税義務」

仮想通貨(暗号資産)と納税義務

ビットコインの価格が1BTC=237万円をつけた2017年12月、保有している資産価値が1億円に達した投資家を「億り人」と称していた。

今、その億り人はどうなったのか。

ビットコインを例にすると、今年1月には36万円台まで急落し、現時点では110~140万円まで戻している。なかには「やれやれ」と一息付けている人もいるだろう。最高値から約85%のマイナスだったのが半値近くまで戻してきたのだから、仮想通貨(暗号資産)バブル以前からビットコインなどを買い付けていた人は、すでに利益を確定できる状況になっている。ただ、それはずっと持ち続けて今に至っているケースの話。最悪なのは、2017年12月に仮想通貨(暗号資産)の価格がピークを付けた段階で売却し、欲を出して他の仮想通貨(暗号資産)に乗り換えたケースだ。
1BTC=237万円でビットコインを売却して、その資金でイーサリアムに乗り換えた場合を想定してみよう。ビットコインがピークを付けた時のイーサリアムの価格は1ETH=18万円だから、237万円で13ETHが購入できる。ちなみにイーサリアムの現在価格は1ETH=2万4000円前後だから、日本円換算で234万円分購入したイーサリアムの現在価値は31万2000円程度になっている。
「こんなに損が出るから仮想通貨(暗号資産)への投資は怖いんだよね~」と思った人は、仮想通貨(暗号資産)の本当の怖さをまだ知らない。

多くの人はこのケースについて、単にビットコインからイーサリアムに乗り換えただけのように思っているのではないだろうか。しかし、税金を取る側は乗り換えただけとは解釈しない。
どういうことかというと、最初に購入したビットコインを売却した時点で利益が確定されたことになり、この利益に対して税金が発生するのだ。もちろん、事前にそれを理解していて、きちんと雑所得として確定申告した人は何も問題ない。が、私が周りを見渡したところ確定申告をしないまま、本来なら税金として払わなければならない分も含めて、他の仮想通貨(暗号資産)を買っているケースが多い。
しかも前述したイーサリアムに乗り換えたケースでは、乗り換えた仮想通貨(暗号資産)が急落して、稼いだ利益が吹き飛んでしまっている。この状態で税務署から「税金を納めて下さい」ということになったら、果たして税金を払うことが出来るだろうか。

利益の大半が失われているのだから、ビットコインを売却した時点で得た利益に対する税金を支払うためには、別途資金を準備する必要がある。それも前述のケースのように、1BTCを売却した程度の資金規模であれば、何とか資金繰りも出来ると思うが、仮想通貨(暗号資産)バブルで億り人になった人の場合、億単位の利益を得ているわけだから、そこから生じる税金は数千万円規模になる。
もちろん大金持ちで、他に多額の金融資産を保有しているのであれば、悔しい思いはするが、まあ何とか税金を払えるだろうが、問題は、こうした資金面の余裕がない人の場合だ。これはもうどうしようもない。税金を滞納し続ければ、財産が差し押さえられてしまう恐れも生じてくる。

「もう日本の取引所から資金を抜いて海外の取引所に移したから大丈夫」と言う人もいるが、これだって安心はできない。税務当局は今、仮想通貨(暗号資産)取引所に対してKYC(本人確認手続き)と取引履歴の提出を求めている。そして、提出された取引履歴をひとつひとつ付け合わせ、どの時点でどの程度の利益を得たのかを洗っている最中と考えられる。仮に儲けた仮想通貨(暗号資産)を海外の取引所に持ち出したとしても、それ以前に国内の仮想通貨(暗号資産)取引所を通じた売買で利益を得ていたら、KYCと売買履歴の提出によって税務当局に補足されるし、その売買で得られた利益をどうしたのかという点について、税務当局から強く説明を求められるはずだ。

恐らく当面、逃げられるのは、最初から海外の仮想通貨(暗号資産)取引所で売買していた投資家くらいのものだろう。ただ、それも法定通貨に換金しないことが前提条件になる。海外の仮想通貨(暗号資産)取引所の場合、法定通貨に替えられないところが大半なので、円や米ドルなどの法定通貨に替えたい時は、海外の取引所から国内の取引所に資金を移してから、法定通貨に替える必要がある。そうなると、日本の仮想通貨(暗号資産)取引所に資金を移した時点で、税務当局から「このお金は何ですか」と、やはり説明を求められることになる。

このように、課税を逃れるのはかなり困難であることがお分かりいただけるだろう。当然、「億り人」から一転、「戻り人」になってしまった人にも、これから税務当局の網がかけられてくる。下手をすれば財産没収の果てに自己破産する人も出てくるだろうし、税金を納めさせるためにも、明らかに税を逃れる目的で仮想通貨(暗号資産)を利用している人は「悪質」とみなされ、見せしめのために逮捕されるという事態も、そろそろ考えておいた方が良さそうだ。

関連記事

ページトップへ戻る