仮想通貨(暗号資産)遍歴 第5回-今井崇也さん- 前編

第5回のインタビューは、ライトニング・ネットワークなどの先端技術を研究されている今井 崇也さんです。

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仮想通貨(暗号資産)遍歴 第5回-今井崇也さん- 前編

仮想通貨(暗号資産)遍歴 第5回(前編)

仮想通貨(暗号資産)・ブロックチェーン業界で著名な方々の仮想通貨(暗号資産)遍歴をお聞きしたインタビュー記事を掲載します。第5回のインタビューは、ライトニング・ネットワークなどの先端技術を研究されている今井 崇也さんです。


経歴
フロンティアパートナーズ合同会社 代表CEO & Founder
データタワー株式会社代表取締役 & 創業者
United Bitcoiners Inc. 取締役&共同創業者
フレセッツ株式会社(代表取締役:日向 理彦) 技術顧問 

オフチェーン技術「ライトニング・ネットワーク」を使ったビジネスの発展や技術者育成を目的とするハンズオン・イベントグループ『オフチェーンアカデミー』、日本で最初のライトニングネットワークハッカソン「オフチェーンアカデミーハックデー 」を主催。
アンドレアス・M・アントノプロス (著)『Mastering Bitcoin: Programming the Open Blockchain(ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術)』の日本語訳書籍の代表翻訳者。

--まず、今井さんがビットコインに興味を持ったきっかけについて教えてください。

ビットコインとの出会いは、2013年の夏にGIGAZINEというサイトで、ビットコインの記事を読んだのが最初です。GIGAZINEは外国で流行っているものを紹介するサイトで、技術やインターネットに限らず、幅広い分野を紹介しています。最初にその記事を読んだ時は「なんかよくわかんないなぁ」って感じでした。仕組みとしては「おもしろそうだ」とは思ったものの、「新しい詐欺っぽいものが出てきた」って言うのが第一印象ですね。 (笑)ただ、GIGAZINEに書いてある記事ですので「そんな変なことはないんじゃないかな?」とは思ったのですが、まぁでも半信半疑で読みました。
とはいえ、すごく興味をひかれたのは間違いないです。そして、それを機にビットコインについて色々調べるようになり、その頃勤めていた会社の同僚と飲み会の席で「ビットコインはなんかおもしろそう!」って話をした記憶があります。ただ、その頃は英会話トレーニングのスマホアプリを作っていて、そっちの方を優先してビットコインの話は一旦トーンダウンしてしまいました。

--その頃は、どのようなビジネスをしていたのですか?

フロンティアパートナーズという会社を設立したのが2014年4月ですので、2013年はまだ会社に勤めていました。当時はBizMobile株式会社という会社で、MDM(Mobile Device Management)のデータ蓄積システム構築やデータ分析、そのデータの可視化をしていました。先ほど出た「英会話アプリの作成」は、BizMobile社で作っていたわけではなく、個人的に自分で勝手に作っていました。その前は、このサイトの運営会社でもあるカカクコム株式会社で、商品画像から色情報を自動取得する『画像処理アルゴリズム』を研究していまして、色による商品検索システムを実用化させました。

2014年に2 月にマウントゴックス社が会社更生法の適用を申請しましたが、その直前の1月に僕はマウントゴックス社に口座開設の申し込みをしていたんです。ただ、パスポートのコピーとかいろいろ送ったんですが、結局返答がなくて口座開設できませんでした。できていたらまぁ、色々と問題が起こっていたかもしれませんね。(笑)

--そうすると最初にビットコインを買ったのはいつ頃になりますか?

ビットコインを最初に手に入れたのは、2014年の9月か10月ぐらいですね。その時は、先ほどの英会話アプリをビジネスにできないかと活動していた時でした。ゼロワンブースターというワーキングスペースがありまして、そこで『起業・新規事業プログラム』というのをやっていたんです。今はもう第12期の最中ですが、僕はその第2期に参加していました。そして、そこにJimmy本間(善實)さんがいたんです。本間さんとはそこで話をするようになりました。

--本連載の第一回、本間さんのインタビューはゼロワンブースターでインタビューをさせて頂きました。

本間さんは今もゼロワンブースターにいらっしゃいますね。ゼロワンブースターは東京タワーのすぐ近くにあるんです。そこから歩いて10分ぐらいの距離にある、六本木のThe Pink Cow (ピンクカウ)という店に、当時はビットコインの自動販売機があったんです。こんなに都合のいいことないなと思って、本間さんとビットコインについて話をしたその足で、The Pink Cowに行ってビットコインをちゃちゃっと買いに行きました。それがビットコインを買った最初の体験ですが、不思議な感じでしたね。

自動販売機に免許証を読み取らせて、日本円を入れてビットコインを買ったのですが、その過程でなかなか機械がちゃんと動いてくれなかったんです。手順としては難しくはなかったのですが、免許証を読み取らせようとしても、なかなか読み取ってくれなかった記憶があります。あと、説明書きがとても不親切で、英語で記載されているのは仕方がないとしても、最初に何をすればいいのか、書き方がとてもわかり辛かったです。

購入操作が終わったら、QRコードが記載されているレシートが出てきて、スマホにダウンロードしたウォレット・アプリにそれを読み取らせるとビットコインが入ってくる仕組みでした。記念となるその時のレシートとかはもう、どこかに行ってしまいましたね。(笑) その後に、六本木辺りでビットコインが使えるお店があったので何回か使ってみた覚えがあるのですが、支払う時は結構サクッと使えた感じがしました。

--ビットコインもしくはブロックチェーンに一番魅了されたのは、どういう点ですか?

最初に知った時、すごい「数学チック」だと感じたんですよね。例えば、通貨の「発行」「発行量」の決定・作業などは「アナログ」というか、「人がやるもの」だとそれまで思っていたんです。ブロックチェーンの仕組みをパッと見てすぐには理解できなくて、最初は「計算すると空中から金(GOLD)が出てくる」みたいな不思議な話に思えました。(笑) 別世界の話をみているような印象でした。

しかし、いろいろなサイトを見て回ってビットコインのホワイトペーパーを理解でき始めると、「仕組みをもっと理解したいな」という気持ちが強くなりました。当初は半信半疑ではありましたが「今の世界と違ったメカニズムで動くような感じ」、それがすごく面白いなと思いました。なので、最初の頃はビットコイン/ブロックチェーンを理解できていませんでしたので、「技術的」というよりも「世界観」に魅了された感じです。

中身が理解でき始めると、ビットコイン/ブロックチェーンの設計思想は『誰かを信用する必要がない』という点が中心に置かれていることに気づきました。そして、ビットコイン/ブロックチェーンはそれを具体的に実行していて、しかも、理屈だけではなくその時すでに稼働しているという点が、実際に色々みていくと非常におもしろいと思うようになりました。

こういう思想の話は1980年代から研究としてはありましたが、それは全て机上でやっているものでした。そうではなく、実際に稼働しているのもがすでにあって、自分のお金をフルコントロールできるものが、すでにこの世に存在しているというのは結構衝撃的でした。もちろん、まだまだ足りないところはありますが、設計思想を実際に実現していて「稼働している」というのは、めちゃめちゃすごいです。

--今井さんが大学院で博士号を取得された研究と、ビットコイン/ブロックチェーンとは、どういう共通点がありますか?

大学院時代は素粒子理論物理なので物理の中でも『数学寄り』なのですが、扱っていた『数学』の分野は、暗号通貨の分野とは全然違います。けれども、僕は「規則性を統一的にみる」というのがすごく好きで、そこが共通性だなと思っています。僕は数学って「人間に見えないものを見せてくれる道具」だと中学生時代からずっと思っているんです。人間の想像が及ばないけれども『数学』を使うことによって、よりクリアに「この世界の別の見方を教えてくれる」のです。ビットコイン/ブロックチェーンが、まさにそういうものなんです。暗号理論って整数論ですけど、人間でないとできないと思われていたものを、性質のところだけうまく抽出して、抽象化し、別の方法で実際に構成できるということを見せてくれます。なので、大学の頃の研究とすごく共通性がありますね。

--仮想通貨(暗号資産)/ブロックチェーンに魅了されている人たちは、魅了されるポイントがそれぞれ異なっていて、仮想通貨(暗号資産)/ブロックチェーンは魅力のポイントは多岐に及んでいるんだなと皆さんのお話を聞いて感じます。

それはすごく僕も思います。いま色々と仮想通貨(暗号資産)/ブロックチェーンをみていく中で、適用範囲がめちゃめちゃ広いってところも非常に面白いです。金融にせよ、法律にせよ、経済、経営、数学、心理学、機械学習、ゲーム理論…ビットコインはこれらが総合的に関連するので、切ったら切った分だけ新しいものがボンボン出てきます。

勉強するにしても、元々ある多様なビジネスの仕組みを1から全部調べるというのは大変だと思います。既に出来上がってしまっているし、常識だと思っていることを人は一々教えてくれない。僕は、ビジネスの仕組みを効率的に知るために会社を作ったんです。もちろん「儲けられたらいいな」とは思いつつも、どちらかというと経済、ビジネスの仕組みを知りたくて。(笑)
「営業とかやるよりは会社を作って実際に体験した方が早いだろうな」と思いました。それと同じく、仮想通貨(暗号資産)/ビットコインの世界って、今まさに作られていくところで、もう1つの経済世界を1から作っているところ。法律も何もかも今作っているところなんですね。なので、新しい経済を作っていくところを目の当たりにでき、1個1個噛み砕いて体感しながら理解していくことができる。「法律を知るのも必要」「金融を知るのも必要」…となりますが、僕にとってはそういうのをやりやすいというのも、面白いところのひとつですね。

--株式会社カカクコムへはどういった経緯で入社されたのですか?

元々、大学院を出てからメーカーの研究所への就職がいいかと思っていました。D2:博士課程後期課程2年生のときに就活をして、30社ぐらい受けて1社だけ最終面接までいったのですが、後はことごとく全部落ちたんです笑 M1:修士課程1年生の時も就職活動したのですが、その時も、ほとんど受からなかったです笑 理由はわからないのですが、人事の方が求める人物像は僕とは違ったんでしょうね。就活で受かったことがなかったのですが、結果的には、ウェブという当時最も活力がある世界のビジネスをしているカカクコムに入社することができたので、良かったと思っています。

なぜ、物理からウェブの世界に行ったかというと、当時2005-06年頃は、団塊の世代の方々が大学教授など常勤職のポジションに就いていました。空いているポジションはあるにはあるのですが、ポスドク(ポストドクター)※として例えば日本のどこかの大学に1年入るか、海外の大学に行くかが普通で(海外の方が多い)、日本の常勤ポジションがなかなか空かないんですよ。人口ピラミッドから考えると、ほぼ5年は日本の常勤ポジションは空かないんです。(笑)
※博士課程を終了して博士号を持っていて、常勤ではなく任期制の研究職に就いている研究員

じゃあ、その5年間を何に使おうかと考えた時に、ウェブの世界だと僕は決めたんです。その頃ウェブの世界の方はドンドン新しいものが出てきていた時代でしたので。

当時の素粒子の世界はというと、理論が先に進んでいるんです。例えば2013年の「ヒッグス粒子が発見された」だったり、「ニュートリノ天文学が云々…」など色々ありましたが、今の実験って1960-70年代にできた理論の『検証』なんですよ。理論の検証は当然大事なわけですが、より微細な構造を調べようと思うとお金がかかる。数カ国が参加してようやくまかなえるくらいの金額です。となると、実験施設を建設してから稼働テストをし、データ蓄積に分析までやると結果が出るまでかなり時間がかかるわけで、そうすると自ずと比較的お金がかからない数学的構造を基礎にした理論のほうが先に進みやすくなります。それはそれで面白いのですが、私としてはもっと実世界と紐付きつつ、この世界の新しい側面を見ていくということを追求したいと思い始めてました。

物理の世界と比べるとウェブの世界って、2004年にfacebook、2006年にTwitterが創業したように、2006年頃はドンドン新しいものが世界中にできて、しかもウェブなので地球の裏側のウェブサービスでもすぐ試せるわけですね。それがめちゃくちゃ面白かったんです。
2006年頃に、キャッチアップの早い友達から「LinkedInに登録してみて」って頼まれたんです。正直、その時はLinkedInって「何のためあるのか?」何だか全くわからなかったんですが、色々と使ってみるといちいち対面や書類で許可を得ることなく自由に双方向にやりとりする楽しさが分かり始めたんです。ちょうどそういう友達がいたっていうのも、恵まれていました。研究者資質・科学者資質で考えると、新しいものがゴロゴロ生まれてくるところは楽しいんですよね。なので、僕はウェブの世界に行くことに決めました。

ビットコインの話に戻りますと、結構、理由は一緒なんです。2005~07年頃と比べると、2013~14年ってウェブの世界にそれなりに勢力図ができてしまっている感じがありました。UberやSnapchatとか新しいものも出てきたりはしてましたけど、2005~07年頃の頃に比べると、ちょっと『隙間』っぽいものが多い。『隙間を埋める』と言えば、それはそれで「面白くない」ことはないんですけど、『ガッツリ』変わるとは言えず、ちょっと物足りなかったです。

そうなってしまった頃に、ビットコインというものが、めちゃめちゃ面白く見えたんです。全然違う世界観で、今までやりにくかったことを「実行できる」「その可能性がある」「拡張性もある」ということで。結局、理由はずっと一緒で「ぼんぼん新しいものができてくる方が楽しい!」ので、僕はそっちに移っていきました。

--そして今、行っているビジネスについて教えてください。

ライトニング・ネットワーク(Lightning Network)がいま一番面白いと思っています。まだまだ発展途中で、初期段階、黎明期なので、できないこともいっぱいありますけど、ライトニング・ネットワークという技術ベースを今は追いかけているところです。今までは、どっちかというと、ビジネスというよりも趣味的なところもあって、論文読んでみて、それを発表するとかやっていたんですけど、もうちょっと実運用というか、実際にこの世界で使えるようにしていくというところに、もっと貢献していければいいなと思ってやっています。なかなかうまくはいきませんが。(笑)

--ライトニング・ネットワークの魅力について教えてください。

ライトニング・ネットワークをすごくざっくり言うと「オフチェーンの取引をするパブリックな仕組み」の1つです。そして「オフチェーンとは何か?」と言うと、ある二者間の取引(Transaction)を全てブロックチェーン上に記録するのではなく、ブロックチェーンへの取引の記録はある時点とその後の複数の取引を1つの取引にまとめた正味だけにして、その途中の取引についてはブロックチェーンには記録せず、取引を合意している2者間だけで「把握すればいい」「把握できればいい」という仕組みをオフチェーン と言います。

「パブリック」な仕組みというところが面白いところなのですが、これによって処理できる取引数の上限が増えたり、手数料が安くなったり、小さい額…10円、1円、もっと0.1円、0.01円/1銭…といった送金がパブリックにできるようになります。

例えば、Facebookで「いいね」をしたらお礼にお金を送るという仕組みが考案されたりしてますが、ああいう風に行動の中に自然に埋め込む形じゃないと、多分1円10円っていう少額は事実上使い物にならないんじゃないかと思います。1円10円のためにいちいち頑張らないですからね(笑)1銭、5銭、10銭となった時は、また別の世界になると思っていて、それは機械同士のお金のやり取りが始まるだろうと思っています。実際、Facebookで「いいね」をしてお金をやり取りをしたとしても「機械同士のお金のやり取り」ではありますが、そういう意味ではありません。
「いいね」の場合、1回1回に人が意思決定をするからです。『枠』自体は人間が決めるけれども、細かい調整は機械、コンピュータで実行して欲しいという意味です。それによって、コンピュータにお金を稼いで欲しいと思っています。月3万円くらい(笑)
どうやってそうするのかというと、例えば「いいね」を押して勝手にお金が貯まるというのもひとつです。

あとは、2017年春にもこちらのインタビュー(勝手にGracone対談)で話してますが、数年前から言われている自律的な車で使われるという話です。目的地に行く際に、当然ですが何時に何処に着きたいという予定・希望が運転手にあります。急いで何時に着きたいという時に渋滞が発生したら、前の車にお金を多少払ってもいいから前に進みたいというのはあるわけですよね。けど、いちいち止まって「はい、1円」「はい、10円」って言って渡すのは面倒なので、それを勝手にやって欲しいわけですよ(笑)勝手にお金のやり取りをしてもらって、道を空けてもらうという。ただし、そうすると「お金持ってる人がガンガン色々できる」って話にはなるので、その点は「どうなんだ?」っていう意見はありますが。そういう風に1回1回人間同士だとお金のやり取りはできないけれども、機械が勝手に受け渡ししてくれるんだったらありがたいっていうシーンは、多分他にもたくさんあると思うんですね。「お金を払ってでも優先的に何かをしたい」という希望…やりすぎるとよくないですけど(笑)

他だと、電話の電波が通じにくいというのもそうですね。例えば、渋谷の真ん中は人が多くてすごく混むじゃないですか。混雑で電話が通じないときでも、誰かに混んでるところから50mとか100mとかちょっと離れてもらうだけでアンテナが空いたりすると思うんです。この「離れてもらう」という行為にお金を支払うんです。これをいちいち申請するのは面倒なので勝手に送ってきて欲しいんです。実際はアンテナ基地局をうまく設置してくれているのであまり感じないかもですが、お祭り騒ぎになっても電話ができるように、かなり許容量に余裕を持たせているはずです。余裕分って普段はまあ無駄といえば無駄で今でもその分のコストを常に払っているわけですが(笑)

どうしても人は、どこかの場所に集中してしまう。そこに小さい金額、10銭、1円といった金額を介在させて、それをすごく少額の手数料で行うことによって、もっと『均一化』できるんじゃないかと思っています。これは、将来的に面白いんじゃないかと思っています。

ここに挙げた例は、実は最初からパブリックな仕組みである必要はありません。実際JR東日本などは、お客さんが混雑のピークをずらすことに対してインセンティブを払う仕組みを始めています。最初はパブリックな仕組み以外から始まるでしょう。JR東日本の例は、各サービスに対して個人と取引する企業が1社なので、サービス提供者の経済合理性が成り立っています。でも、企業としての経済合理性がなくても個々人の経済合理性があれば良いこともあり、私が将来的に考えているのはこのもっと広い話です。

他には、ライトニング・ネットワークってその名の通り、ノードがネットワークを形成しいくつかのノードをホップ(経由)してお金を送るんですね。ホップして送る時に、そのノードは手数料を受け取ることができるんです。今現在は、その手数料はめちゃめちゃ少額なので、世界で今一番多く手数料を受け取っている人だとしても、月に数百円だと思います(笑)
これがもっと取引処理数が増えてくると、自分が持っているスマートフォン(ノード)が『お金を経由』してくれる役割を担ってくれることになります。そうなると、自分のスマートフォン(ノード)にお金が貯まっていくんです。先ほど例にあげた車同士で「機械がお金を稼ぐ」というのもそうですが、多少ですけれどもスマートフォンが社会に貢献することによって、スマートフォンがお金を稼げるようになるだろうと。
この場合、JR東日本のような形にはならず、複数の個人の機械がP2Pネットワークを形成し、あたかも1つの決済事業者、資金移動業者のような役割をする感じです。

当然、人間が機械をコントロールしなければならないんですけど、機械の所有者が事前に決めた範囲内(または法人と同様なロボット人法のような範囲内)でスマートフォンが勝手にお金を稼いでくれるという風になりそうな気がしています。

それが結局、よく言われる「仕事が少なくなる」という話にもつながっています。「完全に仕事がなくなる」ってことはあり得ないわけですが、いま週5日働いているのが週3日ぐらいには減りそうだと思っています。日本マイクロソフトが週休3日制を試験導入するとニュースがありましたが、そうなると企業は今まで支払っていた2日分の給料は支払わないわけじゃないですか。そうすると給料減るわけですよね。日本マイクロソフトの取り組みでは減らないらしいですが(笑)
どうやって人間が技術と共生するのかってときに、技術が進むことで仕事が減って、技術が進むことでお金が稼げるのであれば、帳尻合うじゃないですか!

--「仕事がなくなる」と言うとネガティブになりますが、「仕事をしなくてもいい」と言うとポジティブに考えられますね。
そうなんです。とは言っても、ちゃちゃっとできる話ではないんですけど(笑)

--ライトニング・ネットワークはまだ早いでしょうが、ビットコインやブロックチェーンをまだ買ったことない、使ったことがないという方々に、一言お願いします。

理屈を理解するのは大変なので、まず使ってみるというのが一番ですね。例えば、先ほどのライトニング・ネットワークにしても、だんだん使いやすいウォレットが出始めています。裏側の仕組みは知らなくても、PayPayみたいに使えるようになってきているので、とにかく使ってみるというのが、最初ですね。

一般人ではなくソフトウェア・エンジニアだと、「何かを作ってみる」というのがありますね。暗号通貨関係、クリプト界は数学的な知識が必要なので、メーカー、製造業の研究所にいる方は、是非こちらの産業に来ていただけるとすごくありがたいです。(笑) 例えば研究所の中で表に出せない技術もいっぱいあると思うので…特に知財は外に出せないでしょうが、知識・経験が適用できるところはたくさんあるので、是非来てください。笑 まだまだ技術的にカバーしなければいけないところがたくさんあるので、そこに力を貸していただける方を当業界は求めています。絶対おもしろい業界です。

(後編へ)

(編集部注:2019年9月30日に執筆者依頼により、ライトニングネットワークの仕組みについて等、一部の内容修正、変更させて頂きました。)

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