ビットコインの価格分析『5度目の下値トライ開始。三角保ち合いを下放れすれば一段安の恐れも』

ビットコインの価格分析『5度目の下値トライ開始。三角保ち合いを下放れすれば一段安の恐れも』

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ビットコインの価格分析『5度目の下値トライ開始。三角保ち合いを下放れすれば一段安の恐れも』

1. 概況(ファンダメンタルズ分析)

ビットコインの対円相場は、昨年12月に付けた安値35.4万円をボトムに切り返すと、その後の2度に亘る三角保ち合いからの上放れを経て、心理的節目100万円の突破に成功しました。6/26には、約1年5ヵ月ぶり高値となる149.5万円まで急伸するなど、コインチェック不正流出事件前の水準を射程圏内に捉えました。しかし、150万円乗せが阻まれると、俄かロングのロスカットを巻き込みながら急反落し、7月中旬には一時98.1万円まで下げ幅を広げる展開となりました。本稿執筆時点でも、100万円付近で上値重く推移するなど、三角保ち合いからの「下放れ」が警戒されつつあります。

1.	概況(ファンダメンタルズ分析)

こうした冴えない相場環境とは裏腹に、ファンダメンタルズ面では好材料が増えつつあります。具体的には、①世界的に広がる金融緩和期待を背景にリスクアセットとしてのビットコイン需要が高まっていることや、②改正資金決済法及び改正金商法の可決・成立、FATF(金融活動作業部会)による規制強化の明確化を経て仮想通貨(暗号資産)市場に健全化ムードが広がりつつあること、③ビットコインETFやBakkt、ErisXやLedgerXなど機関投資家参入を想起させ得る潜在的な好材料が増えつつあること、④米中貿易摩擦やグローバルに広がる地政学的リスクを背景にリスク逃避資産としてのビットコイン需要が高まっていること、⑤本邦仮想通貨取引所にて様々な新サービスが開始されつつあること等が挙げられます。

特に、上記⑤については、8/20にbitFlyerがTポイントと仮想通貨(暗号資産)の連携を発表したことを皮切りに、8/21には、ディーカレットがnanacoなど電子マネーへのチャージサービスを発表しました。更に8/22にはコインチェックがIEO(Initial Exchange Offering)ビジネスの検討開始を発表した他、8/23にはSBI VCトレードがXRPのプレゼントキャンペーンを開始しました。8/28にはSBIグループのモーニングスター社による株主優待としてのXRP配布も報じられました。本邦仮想通貨取引所による相次ぐ新サービス発表は、実社会での普及の足掛かりとして期待されることから、中長期的にビットコインを下支えする好材料と考えられます。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

2月下旬に達成した、21日移動平均線(青)と90日移動平均線(緑)のゴールデンクロスを皮切りに、ビットコイン・円相場はその後上昇トレンドに突入しました。4月上旬には、約1年ぶりに200日移動平均線(赤)を上抜けした他、4月中旬には、21日移動平均線(青)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロス、5月2週目には、90日移動平均線(緑)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも実現しました。しかし、足元では、21日移動平均線(青)が約半年ぶりに90日移動平均線(緑)を下抜けするなど(デッドクロス)、上場トレンドの終焉(下落トレンドの始まり)が意識されつつあります。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドは、「右肩下がり」に傾斜がシフトしました。ローソク足も18日連続で同ラインを下回るなど、「中立→下落」へのトレンド転換が意識されます。但し、実勢相場がボリンジャーバンド下限に近付きつつあること、バンド幅がスクィーズゾーンまで低下していることなどを考慮すれば、ビットコイン価格が急反発に転じるリスクも想定されます。ボラティリティの急拡大を念頭に置いた丁寧なポジション管理が必要となりそうです。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

一目均衡表を見ると、①転換線の基準線下抜け、②ローソク足の一目均衡表・雲下限下抜け、③遅行線のローソク足下抜けの全てが揃う「三役逆転」が成立しました。同チャートは強い売りシグナルを表すことから、ビットコイン・円相場の続落リスクが警戒されます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは、じりじりと水準を落としつつも未だ39.7%と過熱感(売られ過ぎ感)は見られません。過熱感なき下落であることから、地合いの悪さが改めて意識されます。

6. まとめ

以上の通り、ビットコイン・円相場は、7月以降計5度目となる100万円トライが始まりました。前回までは、下げても下げても反発する底力を見せておりましたが、①移動平均線のデッドクロスや、②右肩下りのボリンジャーミッドバンド、③一目均衡表三役逆転など、地合いの悪さを考慮すれば、三角保ち合いを下放れするリスクも警戒されます。状況次第では、直近安値(7/18に記録した安値98.1万円)を大きく割り込むシナリオもあり得るでしょう。

とはいえ、ファンダメンタルズ面での強さを考慮すれば、こうした軟調な動きは一時的なものに留まりそうです。仮想通貨(暗号資産)市場が約1年に亘り注目してきたNY証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)が運営するBakkt(バックト)のサービスローンチが9/23に決定したこともビットコイン価格を押し上げる好材料と考えられます。米中貿易摩擦を巡る不確実性や、世界的に広がる通貨安戦争(利下げドミノ)、地政学的リスクの高まりなど、国際経済社会の不安定化も、ビットコイン需要を押し上げる効果が期待されます。事実、仮想通貨(暗号資産)オプション市場では、現物市場の低迷とは裏腹に、BTCコールの買いや、ターゲットバイイング(下値余地は限定的と見越して)目的のBTCプット売りが増加傾向にあります。行使期日が6ヶ月以上先の中長期オプションに至っては、30,000ドル(=348万円)や40,000ドル(464万円)、100,000ドル(1160万円)コールを物色する動きも確認されます。当方では、テクニカル主導で一時的な急落リスクを想定しつつも、ファンダメンタルズ面での強さをバックにその後急回復に向かう展開をメインシナリオとして予想いたします。(9月前半の予想レンジ:92.5万円-122.5万円)

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