ビットコインの価格分析『三角保ち合い継続、下放れも上放れも共に失敗』(19/9/8)

引き続き、ビットコイン・円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。

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ビットコインの価格分析『三角保ち合い継続、下放れも上放れも共に失敗』(19/9/8)

1. 概況(ファンダメンタルズ分析)

ビットコインの対円相場は、昨年12月に付けた安値35.4万円をボトムに切り返すと、心理的節目100万円の突破に成功しました。6/26には、約1年5ヵ月ぶり高値となる149.5万円まで急伸するなど、コインチェック不正流出事件に端を発した長期下落トレンドの終焉に期待が集まりました。しかし、150万円乗せが阻まれると、仮想通貨(暗号資産)リブラに対する風当たりの強さや、本邦仮想通貨(暗号資産)取引所ビットポイント・ジャパンの不正流出事件を契機に下落に転じ、7月中旬にかけては、一時98.1万円まで下げ幅を広げました。その後は、直近高値149.5万円と、直近安値98.1万円を起点とした三角保ち合いが形成される中、上下どちらにも動きづらい膠着状態が続いております。

1.	概況(ファンダメンタルズ分析)

もっとも、ファンダメンタルズ的に見ると、ビットコイン価格の押し上げに繋がる好材料は少なくありません。具体的には、①世界的に広がる金融緩和期待を背景にリスクアセットとしてのビットコイン需要が高まっていることや、②改正資金決済法及び改正金商法の可決・成立、FATF(金融活動作業部会)による規制強化の明確化を経て仮想通貨(暗号資産)市場に健全化ムードが広がりつつあること、③ビットコインETFやBakkt、ErisXやLedgerX、SeedCXやCMEなど機関投資家参入を想起させ得る潜在的な材料が増えつつあること、④米中貿易摩擦やグローバルに広がる地政学的リスクを背景にリスク逃避資産としてのビットコイン需要が高まっていること、⑤本邦仮想通貨(暗号資産)取引所で様々な新サービスが開始されつつあること等が挙げられます。

上記①については、来週9/12のECB理事会にて利下げを含めた追加緩和パッケージが示される公算が大きい他、同日開催されるトルコ中銀・金融政策決定会合でも大幅利下げが予想されます。また、9/17-9/18に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)では25bpの利下げが確実視されている他、本邦でも先週、片岡審議委員より「追加緩和」を示唆する発言が報じられました。
また、上記③については、米CMEによるビットコイン・オプション市場への参入(年内)を一部メディアが報じた他、NY証券取引所の親会社ICE(インターコンチネンタル取引所)の子会社であるBakktによるカストディサービスの正式ローンチも発表されました。

更に、上記④については、デフォルトリスクに晒されているアルゼンチンにてビットコイン価格が高騰する現象(アルゼンチン・プレミアム)が見られるなど、世界的に広がる地政学的リスクがビットコイン価格に一定の需要を与え始めております(一方、香港情勢の好転や、米中通商協議再開合意はビットコイン価格を押し下げる材料となり得ます)。

加えて、上記⑤については、8/20にbitFlyerがTポイントと仮想通貨(暗号資産)の連携を発表したことを皮切りに、8/21には、ディーカレットがnanacoなど電子マネーへのチャージサービスを発表しました。8/22にはコインチェックがIEO(Initial Exchange Offering)ビジネスの検討開始を発表した他、8/23にはSBI VCトレードがXRPのプレゼントキャンペーンを開始しました。8/28にはSBIグループのモーニングスター社による株主優待としてのXRP配布が報じられた他、9/6には、LINEグループの「LVC」が仮想通貨(暗号資産)交換業登録を取得したことが報じられました。本邦仮想通貨(暗号資産)取引所による新サービスの発表は、実社会での普及の足掛かりとして期待されることから、中長期的にビットコイン価格を下支えする好材料と考えられます。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

2月下旬に達成した、21日移動平均線(青)と90日移動平均線(緑)のゴールデンクロスを皮切りに、ビットコイン・円相場はその後上昇トレンドに突入しました。4月上旬には、約1年ぶりに200日移動平均線(赤)を上抜けした他、4月中旬には、21日移動平均線(青)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも実現。更に5月2週目に入ると、90日移動平均線(緑)と200日移動平均線(赤)のゴールデンクロスも実現しました。しかし、足元では、21日移動平均線(青)が約半年ぶりに90日移動平均線(緑)と接触するなど、上昇トレンドの勢いに陰りが見えつつあります。しばらくは、21日移動平均線(青)と90日移動平均線(緑)の攻防に注目が集まります。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドは、「右肩下がり→横ばい」へと傾斜を上方シフトさせました。ローソク足も20日ぶりに同ラインを突破するなど、「下落→中立」へのトレンド転換が意識されます。バンド幅がスクィーズゾーンまで低下していることを考慮すれば、ビットコイン価格のボラティリティが近い将来急拡大するリスクを念頭に置いたポジション運営が必要となりそうです(=三角保ち合いの上放れor下放れの時期は近い)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

一目均衡表を確認すると、①転換線の基準線下抜け、②ローソク足の一目均衡表・雲下限下抜け、③遅行線のローソク足下抜けが全て揃う「三役逆転(※強い売りシグナル)」が継続しております。但し、遅行線のローソク足上抜けが視野に入っていることを考慮すれば、三役逆転が向こう数日以内に終焉を迎える可能性は高いと言えます(下落→中立へのトレンド転換を示唆)。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIに過熱感は見られません(51.4%)。また、実勢相場のトレンドとRSIの動きが逆転するダイバージェンスも発生しておりません。

6. まとめ

以上の通り、ビットコイン・円相場は、直近高値149.5万円と、直近安値98.1万円を起点とした三角保ち合いが続いております。先週は三角保ち合い下限(100万円)を試して失敗し、今週は三角保ち合い上限(117万円)を試して失敗しました。現在はそのちょうど中間付近(110万円)で推移するなど、上下どちらにも動きづらい時間帯が続いております。但し、ファンダメンタルズ面でのポジティブ材料の増加を考慮すれば、下値余地は限られそうです。また、テクニカル的にも、①ボリンジャー・ミッドバンドの上方シフト、②バンドワイズチャートのスクィーズゾーンへの低下(=ボラティリティの拡大を示唆)、③一目均衡表・三役逆転の向こう数日以内の終焉を考慮すれば、三角保ち合いを「上放れ」するリスクの方が大きいと判断できます。

事実、仮想通貨(暗号資産)オプション市場では、引き続きBTCコールを物色する動きや、ターゲットバイイング(下値余地は限定的と見越して)を目的としたBTCプットの売り取引が増加傾向にあります。行使期日が6ヶ月以上先の中長期オプションに至っては、30,000ドル(=348万円)や40,000ドル(464万円)、100,000ドル(1160万円)コールを物色する動きも散見されます。香港情勢の好転や、英合意なき離脱リスクの後退、イタリアを巡る政局不透明感の後退、米中通商協議の再開合意が、「リスク回避ムード後退→ビットコイン需要減退」の経路で一時的な重石となりつつも、ファンダメンタルズ面での強さや、テクニカル面で見られる持ち直しの兆しを考慮すれば、ビットコイン価格の下値余地は乏しく、当方では引き続き、ビットコイン・円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。(9月前半の予想レンジ:97.5万円-122.5万円)

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