ヤバイ!仮想通貨(暗号資産)12 「仮想通貨(暗号資産)のジレンマ」

バブル状態で値上がりした2017年末まで、仮想通貨(暗号資産)が法定通貨に取って代わる時代が来るという声が方々から聞こえてきた。

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ヤバイ!仮想通貨(暗号資産)12 「仮想通貨(暗号資産)のジレンマ」

仮想通貨(暗号資産)のジレンマ

仮想通貨(暗号資産)がバブル状態で値上がりした2017年末まで、仮想通貨(暗号資産)が法定通貨に取って代わる時代が来るという声が方々から聞こえてきた。
最近も、ビットコインの価格が1BTC=40万円を割り込んでいた低迷期から脱し、120万円程度まで上昇していく過程で、同じような声が聞こえてくる。が、やはり法定通貨に取って代わるには、まだまだ問題点が多いと言わざるを得ない。

たとえばビットコインの価格は、今年3月まで1BTC=40万円程度だったのが、いまは100万円~111万円のレンジで推移している。ということは、半年の間で3倍近くまで値上がりしたことになるが、これは送金手数料に大きな影響を与える。

そもそも仮想通貨(暗号資産)の良さは、法定通貨を海外送金するのに比べて、比較的短時間で、かつ安いコストで済むという点が挙げられていた。もちろん、送金時間が短い点はその通りだが、問題は送金にかかるコストだ。仮想通貨(暗号資産)の送金手数料は、送金件数が多くなるほど値上がりする傾向がある。それも、マイナーは送金手数料の高い取引から優先的に処理していくため、送金件数が多くなればなるほど、オークションのようにどんどん値上がりしてしまう。

実際、送金件数が非常に多かった2017年の後半あたりは、ビットコインの送金手数料が6000円を超えることもあったくらいだ。こうなると、法定通貨で送金するのに比べて、手数料の額は変わらなくなってしまう。

現在、仮想通貨(暗号資産)の取引を活発に行っている投資家は、仮想通貨(暗号資産)を法定通貨の代わりとして使うよりも、価格の上昇を狙って売買益を得ようとしている人が大半を占める。したがって仮想通貨(暗号資産)の価格上昇は、売買益狙いの投資家にとって歓迎すべきことだが、価格が上昇すればするほど、決済通貨としての側面がどんどん薄れていくことになる。結果、単なる投機対象でしかないという状況に陥る恐れが、現段階では非常に大きいと言わざるを得ない。

次に、仮想通貨(暗号資産)の特徴でもある「お金の流れを捕捉しにくい」点を悪用して、詐欺行為を働く連中が非常に多い。

これまで行われてきた金融詐欺は、たとえば「年利8%、元本保証」などと謳って、不特定多数の人から資金を詐取するのが一般的なパターンで、詐取した資金の送金先は基本的に自分たちが開設した銀行口座だった。

もちろん集めた端から遊興三昧で使われてしまえば、銀行口座を差し押さえたとしても、詐取された資金を確保するのは困難だが、全額使われていない限り、多少ではあっても被害者に配当できる資金を確保できたし、集めた資金を海外に逃がそうとしても、海外の銀行口座を作るためのハードルが高いため、おいそれと資金を逃がせない現実的な壁があった。また海外の銀行に口座を開設でき、そこに資金を移せたとしても、外交ルートで送金先の銀行にたどり着くことも出来る。

しかし、仮想通貨(暗号資産)はその壁をいとも簡単に壊してしまった。たとえば元本保証と高利回りを謳った資産運用方法があることを吹聴して資金を集めるというスキームは同じでも、その資金を法定通貨ではなく仮想通貨(暗号資産)に替えて預けさせるという手口が、このところ増えているのだ。仮想通貨(暗号資産)で集めた資金を、詐欺師が自分のコールドウォレットに移してしまえば、そこから先の資金の流れを捕捉するのは困難になる。仮想通貨(暗号資産)は詐取した資金の持ち逃げを、極めて容易にしてしまった。

ビットコインをはじめとする仮想通貨(暗号資産)が法定通貨と決定的に異なるのは、国家権力を用いても資産の差し押さえが出来ない点にある。アングラマネーを引っ張り出すため、新円切り替えという荒療治を使おうとしても、仮想通貨(暗号資産)には通用しない。仮想通貨(暗号資産)は地下に潜らせやすいため、アングラ勢力にとっては非常に使い勝手の良いツールとなっている。

だからといって、仮想通貨(暗号資産)がアングラ勢力を増長させる恐れがあるという理由で、徹底的に規制を強化したら、今度は仮想通貨(暗号資産)なのに法定通貨とどこが違うのだということになる。法定通貨と何も変わらないくらいに規制が厳格であれば、敢えて仮想通貨(暗号資産)を用いる必要はどこにもない。仮想通貨(暗号資産)の存在意義はどんどん薄れ、仮想通貨(暗号資産)が法定通貨に取って代わるほどに普及するなどというのは、単なる絵空事になるだろう。

2010年に、ビットコインでピザ2枚を購入したのが、世界で初めて仮想通貨(暗号資産)を決済に用いた事例として知られているが、それから9年が経過したにも関わらず、仮想通貨(暗号資産)で物品を購入するという動きは、ほとんど見られない。キャッシュレス決済なら、すでにクレジットカード決済やQRコード決済があり、それを多くの人が何の不自由も感じずに使っている。その点からすれば、わざわざ仮想通貨(暗号資産)で決済することのメリットが見いだせない。

こうした点から、仮想通貨(暗号資産)が法定通貨に取って代わるにしても、まだかなりの時間を要するというのが妥当な見方だろう。

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